自律訓練法のやり方 明晰夢と体外離脱を100%成功させる基本
自律訓練法は明晰夢を100%成功させるために有効な技術です。 このページでは自律訓練法の効果とやり方について説明します。
目次
自律訓練法とは? – 自律神経をコントロールするための技術
自律訓練法は決まった言葉を繰り返し唱えて自己催眠する技術です。
1932年にドイツの精神科医ヨハネス・ハインリヒ・シュルツ博士によって開発された自己催眠法です。
一般的にはストレス緩和、心身症、神経症などに効果があると言われています。
ではなぜ自律訓練法が明晰夢に効果的なのか。
それは眠りにつくまでの段階を意識できることにより、体外離脱の成功率が格段に上がるからです。
対外離脱とは?
体外離脱の正体については諸説あり単語の意味が厳密には決まっていません。
体外離脱をこのサイトでは「肉体から抜け出る感覚がある明晰夢」とします。
夢を経由せずにいきなり明晰夢に入るのが特徴です。
体外離脱は成功しやすい方法に個人差があり、無数の方法が生み出されています。
しかし無数の方法の中でも共通するのが「寝る直前の意識状態」になることです。
この「寝る直前の意識状態」のことを変性意識状態と呼びます。
催眠や瞑想、スポーツなどでもなることがある状態ですね。
変性意識と体外離脱
普通は変性意識状態になったことに気付かず、またはその前の段階から眠りに落ちてしまいます。
自律訓練法は眠りの段階を意識でき変性意識状態に自力でなることができるようになります。
体外離脱は変性意識状態から行います。
変性意識状態の成功率が上がれば体外離脱の成功率も上がります。
体外離脱の成功率が上がることは明晰夢の成功率が上がることに等しいのです。
さらに変性意識状態は再現性が高く、変性意識状態からの体外離脱も再現性が高いです。
ですのでこれら二つを100%成功するようになれば、それ即ち体外離脱…明晰夢も100%成功するようになれる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
自律訓練法 → 変性意識状態
変性意識状態 → 体外離脱(明晰夢)
つまり自律訓練法のトレーニングは、明晰夢を100%成功させるための基礎トレーニングとなるのです。
自律訓練法の準備
自律訓練法を始める前に姿勢について説明します。
姿勢は3種類(仰臥姿勢、単純イス姿勢、安楽イス姿勢)があり、一般的に仰臥姿勢が最もやりやすいと言われています。
自律訓練法 3つの姿勢
仰臥姿勢(ぎょうがしせい)
仰臥姿勢とは横になって仰向けの姿勢のことです。 布団やベッドの上で行います。
枕は深く首にかけましょう。
肩幅まで両足を開き、足先は少し開きます。
布団はかけてもかけなくても良いですが、かけていると自律訓練法の最初の段階をイメージしやすくなります。
単純イス姿勢
椅子に座り両手を膝の上に置き、足は肩幅に開きます。
膝から下はやや前に出し、つま先とかかとは床につけましょう。
安楽イス姿勢
両腕は肘掛の上に置きます。
つま先とかかとは床につけるか足置きに乗せましょう。
共通する注意点
- 口元は開き気味にして、歯と歯の間を緩め力を抜きましょう。
- 目の力を抜きましょう。目に強く力を入れて力を抜くと脱力できます。
自律訓練法のコツ – 受動的集中について
自律訓練法は自己催眠で変性意識状態を作り出す技術です。
ですので無理に意識を操作しようと意気込んでしまうと、リラックス状態にしなければならないのに逆に身体が興奮してしまいます。
ここで重要なのが感覚に集中すること。
繰り返し言葉を唱える中で身体の感覚がどうなっていくかにじっと集中します。
感覚の観察者になった気持ちで行いましょう。
自律訓練法のやり方
自律訓練法は自己催眠により変性意識状態を作り出す方法です。
基礎を含めると7つの段階(基礎 + 1~6段階)があり、一つが成功すると次の段階へ…と進んでいきます。
決まった言葉を繰り返し心の中で唱え、身体がそのようになった時に次の段階へ進みましょう。
基礎段階 「気持ちがとても落ち着いている」
仰臥姿勢など自律訓練法の姿勢を取ったら、基礎段階として「気持ちがとても落ち着いている」と心の中でゆっくりと何度も唱えます。
この時に重要なのが無理に落ち着けようとするのではなく、気持ちが勝手に落ち着くのを待ちます。
ゆっくりと何度も「気持ちがとても落ち着いている」と心の中で唱え、気持ちが落ち着いていく様子を観察しましょう。
気持ちがなんとなく落ちついてきたかな?と感じたら次の段階に移ります。
第一段階 「手足が重い」
続いては「手足が重い」と自己催眠をかけていきます。
基本的に「右手→左手→右足→左足」と順番に行います。
この時基礎段階の「気持ちがとても落ち着いている」も同時に行いましょう。
ですので初めは「気持ちがとても落ち着いている 右手が重い」と唱えることとなります。
右手がなんとなく重く感じたら「気持ちがとても落ち着いている 右手が重い 左手が重い」と左手も追加しましょう。
やる工程が多くて早く進めようと意識的に身体を重くしようと考えるかもしれませんが、それは避けて下さい。
あくまで感覚に集中して言葉を繰り返し、少しずつ重くなる様子を観察して下さい。
もし早く進めたい場合は右手と左手を「両手」として唱えるのも良いかもしれません。
「気持ちがとても落ち着いている 両手が重い」のような感じです。
しかし基本は「右手→左手→右足→左足」と4つに分割して唱えるのが基本です。
両足まで「重くなったかな?」と感じたら次の段階に移ります。
第二段階 「手足が温かい」
続いては「手足が温かい」のフレーズに移ります。
これも「左手が温かい」→「右手が温かい」…と左手、右手、左足、右足と順番にやっていきます。
ですので実際には「気持ちがとても落ち着いている 両手両足が重い 左手が温かい 右手が温かい 左足が温かい…」などを頭の中で唱えましょう。
最終的には「気持ちがとても落ち着いている 両手両足が重く温かい」などのように短縮しても良いでしょう。
自律訓練法を続けるとリラックス状態で血行が良くなり本当に温かくなることも。
その場合はその温かさに集中すればこの段階もスムーズに進むでしょう。
両手両足がなんとなく温かくなったと感じれば次の段階に移ります。
第三段階 「心臓が静かに打っている」
続いては「心臓が静かに打っている」と頭の中で繰り返します。
この時意識は左胸全体に向けましょう。心臓ピンポイントで無くて構いません。
深くリラックスしていると心臓の鼓動を感じれるはず。
その鼓動に意識を向けましょう。
これまでのフレーズも含め頭の中では「気持ちがとても落ち着いている 両手両足が重く温かい 心臓が静かに打っている」と唱えましょう。
心臓の鼓動を感じ、静かに規則正しく打っていると感じれば次の段階に移ります。
第四段階 「楽に息をしている」
続いては「楽に息をしている」のフレーズです。
呼吸そのものに意識を向けます。
呼吸そのものというのは呼吸活動全体のことを指し、例えば次の感覚です。
- 鼻から空気が出入りする
- 肺に空気が入り膨らむ
- 肺から空気が出ていき縮む
呼吸に意識を向けるマインドフルネス瞑想の感覚で集中すれば問題ありません。
頭の中ではこれまでのものも含め「気持ちがとても落ち着いている 両手両足が重く温かい 心臓が静かに打っている 楽に息をしている」と唱えましょう。
呼吸が完全に自動化すると身体が眠りに入りかけている合図です。
そうなるとこの段階からローリングなどで体外離脱が可能になることもあります。
呼吸が楽だと感じたら次の段階に移ります。
第五段階 「お腹が温かい」
続いては「お腹が温かい」です。
ここで意識を向けるお腹の部位はへその少し上、背とお腹のちょうど間の部分です。
そこに太陽神経叢という自律神経の塊があります。
その部分に意識を向け、次のフレーズを繰り返します。
「気持ちがとても落ち着いている 両手両足が重く温かい 心臓が静かに打っている 楽に息をしている お腹が温かい」
お腹が温かいと感じたら最後の六段階目に移行します。
第六段階 「額が涼しくて気持ち良い」
最終段階は「額が涼しくて気持ち良い」です。
この時意識を向ける範囲は前頭部全体です。
前頭部全体にに意識を向け、次のフレーズを繰り返します。
「気持ちがとても落ち着いている 両手両足が重く温かい 心臓が静かに打っている 楽に息をしている お腹が温かい 額が涼しくて気持ち良い」
額に涼しい風が吹きすぎるイメージを描くとと分かりやすいと思います。
この時顔全体の力、特にアゴと目の力が抜けていることも確認しましょう。
この段階は他の段階と違いそこまで身体にはっきりと変化が見られるわけではありません。
あくまで前頭部をリラックスさせることが目的なので、リラックスできたと感じたら成功です。
消去運動
このまま睡眠や体外離脱を目指さず、起きて活動するなら消去運動を行います。
- 両手を握りしめ、開いたり閉じたりを5回ほど繰り返す。
- 両手を握ったまま腕を5回ほど前後に曲げ伸ばしする。
- 背を伸ばし深呼吸する。
- 目を開ける。
自律訓練法まとめ
自律訓練法は自己催眠により深いリラックス状態を作り出します。
そして変性意識状態に至り体外離脱を目指すことが目的です。
自律訓練法は何度も繰り返し行うことで効果が増大し、深い変性意識状態を作れるようになります。
そして変性意識状態を何度も繰り返すことで変性意識状態の感覚に慣れ、自律訓練法を介さずに直接変性意識状態に至ることもできるそうです。
とても重要な基礎訓練となるので、繰り返し行いましょう。
おまけ 催眠術について
催眠術とは心理学を応用したコミュニケーション技術。
催眠術はインチキ・オカルトだと考えている方も多いですが、医療の世界でも実際に使用されている技術です。
催眠術は催眠療法として過敏性腸症候群、更年期障害の症状フラッシュバック、頭痛、心的外傷後ストレス障害、トラウマの克服など様々な症状・疾患を対象にアメリカを始め多くの国々で使用・研究されています。
催眠術により深い催眠状態に入ると、ぼーっとしたニュートラルな状態になります。何も考えておらず、かと言って眠っている訳でもない。瞑想状態や変性意識状態に似た状態と言えるかもしれません。
この催眠状態は高度な集中状態にあると研究で分かっています。
このニュートラルな集中状態に催眠術師の言葉が抵抗無く入ることで様々な効果を誘発させるのです。
催眠術の起源は18世紀にドイツ人医師のフランツ・アントン・メスメルが主張した、動物磁気説が元になっています。Wikipediaに詳しく掲載されており、とてもおもしろい内容となってますので興味がある方はご覧下さい。